Jewel Box
大嫌い








一歩歩くだけでギィとしなる階段をのぼっていく。



203号室と書かれたプレートの前で立ち止まり、ノックもせずにドアを開けた。



靴が散乱している玄関。

そして寝室へと通じる道を示すかのように服が点々と脱ぎ散らかされていた。



たぶん昨日の晩に帰ってきて寝室へ向かうのと同時に服を脱いだのであろう。




……全くあの女には呆れる。



あたしは空いてるスペースにハイヒールを脱いで家の中に足を踏み入れた。




「…入るよ」

一応部屋の前ではノックをして扉を開ける。



窓を一切開けていない部屋からは煙草の臭いが充満した。
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