猫又四郎の奇怪幻想見聞録



「死にたい」

「どうぞご勝手に」



縁側にごろごろと転がる男。よれよれの緑のジャージにW.Cスリッパを履いている。瓶底メガネのひょろりとした男。

その男はラムネアイスを味わいながら、隣にだらしなく座る少年を見やる。



「死にたいんだったら、喜んで協力しますよ。無惨?瞬殺?安楽死?いずれにせよ、君も命を乞うのでしょうけど」


「かもな。……いや、あ、そっか。そうだよ。なにも俺が死ねばいいわけじゃない。周りの奴らを消せばいいんだ」


「相変わらず残酷ですねえ。最近の中学生の考えは分かりません」


「るっせ。俺を否定しようもんなら、まずお前から消してやろうか」


「出来ないくせに」



同じく縁側にて。足をぶらつかせる少年はアイスバーのソーダ味を喰らっている。


黒のタンクトップにPIECEのロゴが入ったハーフパンツ。

男子中学3年生にしては身長が低い。

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