猫又四郎の奇怪幻想見聞録
お隣さんはアイスを食べ終わると、縁側でうつ伏せに寝だした。
まるで猫のような男。
しばらくそうしていると、口の悪い少年が戻ってきた。
「おい……隣、テメェ」
「おや、随分びしょ濡れですねえ。風邪引きたいんですか?」
「しらばっくれんな!」
怒鳴る少年の格好は、まあなんと哀れなこと。
上半身がずぶ濡れぐっしょりだ。
「手洗い場の蛇口捻った途端、水が俺の方に飛んできたんだよっ! どう考えても壊れてんじゃねーかッ」
「オカシイですねえ」
「だああっからお前が壊したんだろ?!蛇口直しとけよっ」
「いえいえ、そういう『オカシイ』ではなく、君の格好が間抜けで可笑し…」
「お前って奴は……っ。ンなに殴られてえのか表に出やがれクソッタレええええええええッ!!」
「近所迷惑ですよー」