猫又四郎の奇怪幻想見聞録



ここはド田舎。おかげで学校のすぐ近くには山があり、自然も豊富だ。

まったくもって、嬉しくないが。



「さいあく……」



私、【野良 涼子】(のら りょうこ)は不運なことに森で迷ってしまったのだ。

おまけに夕方。本気で泣きそう。


そしてもうひとつ。


この森は滅多に人が近づかないのだ。
そう、“この森だけ”。

つまり、自然が豊富なこの田舎に数ある森のうち、“この森だけ”人が近づかない。


奇怪な噂があるのだ。

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