猫又四郎の奇怪幻想見聞録
「しかも『いつも』ってなんだ?!お前の頭ん中イカレてんじゃねえかっ」とツバを飛ばす能九さん。
なんと心外な。ああでも、
「そんな『イカレた野郎』と一緒にいる能九さんも、大概ですよ?」
「なっ……別に好きでいるワケじゃっ」
「ふふっ、今日の晩御飯も、楽しみにしててくださいね」
「…るっせ。いいからどっか行ってろよ餓鬼……」
「と、東雲(しののめ)さんが言っていました」
「あんにゃろおおおおおおッ!!」
天に向かって叫ぶ能九さんをそのままに、僕は森の奥へと足を進めた。