猫又四郎の奇怪幻想見聞録

カサリと、枯れ葉紅葉を踏みつけた。


僕の命は、あとどれくらいか。

最後の最期まで、皮肉を飛ばして笑い合えるのか。

それとも、淡唐と共に闇へ落ちるか。


枯れ葉は脆く、崩れやすい。


僕は一体、誰に壊されてしまうのか。
不思議と恐怖はない。


「………。」


ぎゅっ、淡唐が僕と繋いでいた手に力を込めてきた。

思わずソチラを見、ふっと微笑んでしまう。


ああ、僕は本当に恵まれているな。

< 39 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop