猫又四郎の奇怪幻想見聞録
だけど、僕が口を開くよりも先に野良さんが目を覚ましてしまう。
「おっはよーございまーっす!」
「……は?」
「うっおう!今の一言グサッてきましたよ、りょーこちゃん!つーか声めっさ低かったしっ」
「……。」
テンションの無駄に高い愚弄人に、呆れたようなドン引きの視線を送る野良さん。
その選択は間違っていない。
「ええっと、ところで此処は…」
キョロキョロと辺りを見回す野良さん。
此処がどこか、それすら『消された』ようだ。