猫又四郎の奇怪幻想見聞録
「僕たちだけの、秘密の場所です」
「……とかカッコつけて言ってますけど、四郎あなた忘れてません?」
「なにをですか」
「このコーヒー、りょーこちゃんに出してたものなんでしょうけれど、塩と砂糖間違えてますよ」
「っ!」
ああそうか、だからあの時野良さんは首をかしげていたのか。(48P参照)
「女の子相手にキョドるなんて、四郎もまだまだですね」
小声で囁く愚弄人を睨めば、「おおコワイ」とおちょくられて逃げられた。
赤面しつつ、視界の端にうつった野良さんを見て、多少なりとも落ち着く。