残り数センチの勇気
1 中一 春

「・・・・・・・、だからここに+2を足してあげると・・・・、だから。。・・・。」


 授業をする先生の声がものすごく遠い。実際に距離があるわけじゃないけど、


 ―眠たい。
 

 ―完璧に春の眠気に襲われてる


 中学校に入学したばかりの、この間まで小学生やってた子供にとっては本格的な「勉強」というのは睡眠薬レベルの誘眠効果をもたらすみたい。ものすごい効き目だ・・・。



 ―あかん・・・。授業中やのに・・・・。


 ―もういい、ねる!!


 無駄な踏ん切りをつけて、机に伏せた。本能に抗わなくていいのはとても楽なことだと実感する。少しづつ寝相を変えながら、少しでも楽な体勢を探す
。それでもおでこやら肩が痛くなる。授業が終わるころには跡が残るほど赤くなっちゃってるかな。

「・・・。じゃあこの問題の答えを・・・、橋本さんよろしく。」


 先生の直接ご指名をくらってしまった。





「えっと・・・・。」


 やばい。。。わからんし・・・。



 

 感でいこう!!感や!!

「-6です!!」

 「・・・、+7です・・・。」


 いやあああああああああああああああ。はずっ!!めっさはずっ!!!


 いろんなところから聞こえてくる笑い声から逃げたい・・・。



 「・・・・橋本・・・・、基礎からやり直せ・・・。」

 その声の直後にチャイムが鳴った
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