∞ANxIeTY∞
タクシーを降りる頃には運転手の舌も少々乾いたのか
車内は静かになっていて

あの日渡された住所に近づいてきて俺のほうが、
緊張してゴソゴソと煩い。


「あ、ここで。」


釣りはいらないと、
久しぶりに乗ったタクシーで昔の癖がぽろっとでた事にちょっと驚いた。

でもそんな事より
目の前にした門扉と表札のほうがよっぽど俺をあたふたさせている。
< 262 / 299 >

この作品をシェア

pagetop