夏の日のラブソング
「―――綺麗ね」
海は、本当に綺麗だった。
心が、落ち着いて。
波の音が心地よくて。
私は、ずっと海を見ていた。
すると、
「ここ、プライベートビーチなんだけど」
と。
そんな声が後ろから聞こえた。
振り返ってみると、目鼻立ちがとても整った男の子…いや、男性で。
黒のタンクトップをインナーに、白のシャツを羽織り、ジーンズにオシャレなベルト。
そしてスニーカーを履いている、彼。
素直に、―――カッコイイと。
そう思った。
「…ごめんなさい、知らなくて」
私は彼にそう言い、来た道を戻ろうとした。
でも、
「別に、帰れといったわけじゃない」
手首を掴まれて、そう言われ。
私はどうしたらいいのかよくわからなくて、彼を見ていた。
「…居ればいい」
「…でも」
「居ればいいと言ってる」