大切な君に捧ぐ歌
ドアの窓からのぞいてみると、
男の人が、3人いた。
ボーカル兼ギターの子。
ベースの子。
ドラムの子。
その中でも、ボーカルの子の声に惹かれた。
なめらかな歌声に、甘い声。
楽しそうに歌うその姿は、キラキラ輝いて見えた。
「輝いてる…」
思わずそうつぶやいていた。
「また、明日も見に来よ」
明日を楽しみに家に帰ることなんて、何年ぶりだろう。
そのときガラスに包まれた私に、少し光が差した気がした。