大切な君に捧ぐ歌
次の日。
いつも通り登校する。
階段を登っているとき、あのボーカルの子が前からやってきた。
1人だけ、あたふたする。
勇気をふりしぼって、
「あ、あの!」
すると、振り返った。
近くで見た彼は、スラッとした体に、少しブラウンが入ったショートの髪。
制服を少し緩くくずしている。
そして、メガネをかけていた。
「俺ですか?」
「は、はい…」
「何?」
私は、さらに勇気をふりしぼって
「あなたの歌声大好きです!これからもバンド頑張ってください!で、では!」
彼に一礼して、ダッシュで階段を登った。