大切な君に捧ぐ歌



すると、ボーカルの彼が私の目の前にしゃがんでポケットからハンカチを出した。



それを、血が出てる指に巻き付けた。



どうやら、手当をしてくれたみたいだ。



「あ、ありがとうございました…」



「それよりさ?…君って今日階段で会った子だよね?」



「そ、そうです」



ついに気づかれてしまった。



こんな地味で暗い私に見られてても嬉しくないよね。



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