偽りと真実~scrabble~
「ひかりー、大丈夫か?なんかあったのか?」と
優しく声をかけてくれたまさくん。
「ごめんね、大丈夫だよ…──」
「そっか!!…よしっ!!今から飲むぞ!!」
「いえーいっ♪」
まさくんの提案にノリノリなのはみさだけだった。
私はどっちでもよかった。
一樹は……────
「じゃ、こっから一樹ん家が一番近いから
一樹ん家で飲みな!!」
「はぁ?ふざけんな…」
ダルそうな一樹の声を無視してまさくんは
「じゃ決定ーっ!!」
と、なったからだった。
4人はぞろぞろと歩きだした。
あなたの家へ……───。
───ドクンッ…────
もう私の胸の中は壊れそうだった…
どうして…こんなにも………
───ドクンッ…────
あなたの家が近づいてくたびに…
あなたの後ろ姿を見ているだけで…
あなたが顔を半分だけ向けて
私達を確認するたびに…
───ドクンッ…────
ちゃんとついて行ってるよ。
あなたの後ろを…
張り裂けそうだよ
また…苦しめられてるの…
胸の中の 小さくて…大きな音を鳴らす鼓動に…
どこを歩いてきたのかなんて
覚えていなかった。
はぐれないように…ずっとあなたの後ろを
追いかけていたから………
気づけば一軒のアパートの前に着いていた。
少し古くて……少し不気味な感じで……
でもどこか落ち着ける雰囲気がある…あなたの家…
一樹が玄関を開けるとまさくんとみさが
勢いよく中に入っていった。
「おじゃましまぁーすっ!!!!」