偽りと真実~scrabble~


「ひかりー、大丈夫か?なんかあったのか?」と
優しく声をかけてくれたまさくん。

「ごめんね、大丈夫だよ…──」

「そっか!!…よしっ!!今から飲むぞ!!」

「いえーいっ♪」

まさくんの提案にノリノリなのはみさだけだった。
私はどっちでもよかった。
一樹は……────

「じゃ、こっから一樹ん家が一番近いから
一樹ん家で飲みな!!」

「はぁ?ふざけんな…」

ダルそうな一樹の声を無視してまさくんは

「じゃ決定ーっ!!」

と、なったからだった。

4人はぞろぞろと歩きだした。
あなたの家へ……───。

───ドクンッ…────

もう私の胸の中は壊れそうだった…
どうして…こんなにも………

───ドクンッ…────

あなたの家が近づいてくたびに…
あなたの後ろ姿を見ているだけで…
あなたが顔を半分だけ向けて
私達を確認するたびに…

───ドクンッ…────

ちゃんとついて行ってるよ。
あなたの後ろを…
張り裂けそうだよ
また…苦しめられてるの…
胸の中の 小さくて…大きな音を鳴らす鼓動に…


どこを歩いてきたのかなんて
覚えていなかった。
はぐれないように…ずっとあなたの後ろを
追いかけていたから………


気づけば一軒のアパートの前に着いていた。
少し古くて……少し不気味な感じで……
でもどこか落ち着ける雰囲気がある…あなたの家…


一樹が玄関を開けるとまさくんとみさが
勢いよく中に入っていった。


「おじゃましまぁーすっ!!!!」
< 10 / 16 >

この作品をシェア

pagetop