偽りと真実~scrabble~


私は疲れて深い眠りについていた。

夢を見た。記憶が夢となって…
鮮明に覚えている……
私が小学生の頃の…………


友達はいた。──…はずだった。
ある日から突然"仲間外れ"がはじまっ。

みんな私を無視するの。
先生も仲のよかった友達も………。
時々私の物が無くなったりもした。
上靴に、筆記用具、ストラップ……

それでも毎日学校に行っていた。
休むことはできなかったから…………。

家に帰ると母は言う。

「奪われるより奪う人になれ」
「喰うか喰われるかなんだぞ」

あの頃の私には理解できなかった。

母は突然立ち上がり私に向かって

「こーゆうことだよ!!!!」と叫び

私を壁にうちつけ首を絞めてきた。
すごく強くて………
足が浮いて……
苦しくて…………

「……まっ………ままっ……くるっ……しっ……」

「喋れてんじゃーん!!息できてんじゃーん!!」

怖くて………
怖くて………
痛いよまま………
苦しいよまま………

涙が母の手にかっても

「なーに泣いてんの?!だからいぢめられんだよ?!
恥ずかしくないわけ?!私がどれだけ恥ずかしいと思ってんの?!」

ままの手を掴むのをやめた。
抵抗するのをやめた。
だんだん意識が遠くなって…


起きた時には部屋に一人、倒れていた。
母は出掛けていた。


涙は枯れることを知らないから。
ただひたすらに、一人で泣いていた。



「…………んっ」

何かの気配を感じ目を覚ました。
愛犬の ひま がいて、私の頬をずっと…
舐めている。

私は泣いていた…───

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