偽りと真実~scrabble~
季節は夏になろうとしていた7月のはじめ。
私と浚、将太の三人はいつもの保健室にいた
「光~浚~、給食食ったら帰ろぉーよぉ~」と
ダルそうに将太が言った
私達も「おう」 「うんー」て適当に返事をした。
給食まであと一時間はある…………
私は楽しそうに話す二人をよそに
少し寝ることにした。
…─キーンコーンカーンコーン─………
チャイムの音で目が覚め、三人は教室へ向かう
廊下には温かい香りが広がっていて
席につくとすぐに給食を食べた。
食べ終わるとすぐに私と浚は
帰りの支度をして教室を出た。
静かな廊下……玄関…………
誰よりも先に校門にいたのは将太だった。
「将太食うの早くね?!笑」と浚がからかう。
「俺は腹へってたのぉーん!!」
二人のやり取りを見て私はクスッと鼻で笑う。
今日はどこに行くか特に決めてない
多分いつもの"たまり場"だと思っていた。
でも将太は
「あっ今日隣町の学校の子誘ってるからぁ~、光!仲良くしてやってねぇ~ん」
私は苦笑いをした。
友達はいらない
深入りはしたくない
引き返せなくなるから………
「普通にしてろ」
ボソッと浚が呟いてくれた。
そして三人は待ち合わせの公園へ向かった。
昼間なのにいつも人がいない。だから余計
無駄に広く、寂しく見えるけど
私は嫌いじゃなかった。
「おせぇよ~!!まだかよぉ~~っ」
将太はもうすでに待ちくたびれていた。
しばらくすると遠くから見覚えのない制服姿の女の子が駆け寄って来る。
「しょーちゃーん!!ごめーんねーっ!!」
だんだんと距離が近づき私達の前に来た
その女の子は…………
とても小さくて瞳が大きく、
可愛らしい女の子だった。
「まぢおせぇよ!!待ちくたびれよ!!」
「ごめんねぇ~…」と会話をしていた
ようやく女の子は私と浚に気づいて、
「あっ初めましてぇ~♪みさですっ♪」
と、元気よく、可愛らしいく挨拶をした。
これが"みさ"との始まり。
「おう!俺、浚だからー」
「光、よろしくね」
「浚くんにひーちゃんっ♪よろしくーっ♪」
少し苦手。
しばらく公園で他愛もない会話をして
辺りも暗くなりなり、街灯が私達を照らす。
「よし!!俺ん家で飲むかぁ~っ」
将太の家で飲むことになり向かった。
この日の夜にもう一つの出会いが始まるなんて……
この時わ"運命"なんてくさい言葉、
信じるはずもなかった。