偽りと真実~scrabble~
待ち合わせの時間まであと一時間……
みさは化粧を直しながら聞いてきた
「なんでひーちゃんは彼氏作らないの~?」
少し考えたけど…、
いつもたどり着く答えは決まって…、
「いらない。」
その答えにみさは驚きながら話続けた
「えーっ?!なんでーっ?!もったいないよーっ!!
スタイルいいし、美人なのにぃ~っ
みさがいい人見つけてあげるっ♪」
私は苦笑いをした。
彼氏をつくろうと思えばつくれた。
でもやっぱり"いらない"。
私は適当に聞いた
「みさは?彼氏、ほしいの?」
「ほしいよぉ~っ!いい人いないかなぁ♪」
この子は誰でもいいのかな…─
(彼氏かぁ…………)
考えれば考えるほどわからなくなってくる
冷めてくる…。
私も軽く身なりを整え
「よしっ行こっか♪」
みさの声で私達は静かに部屋を出た。
待ち合わせの時間まであと30分。
真っ暗な外はとても静かで、、
私達だけが取り残されたような、、
全てが一瞬にして消えたかのような、、
こういう雰囲気嫌いじゃなかった。
「夜は涼しいねっひーちゃんっ♪」
「そーだねー」
相変わらずテンションの高いみさの声に
適当に返事をする私。
少し酔っているみさはチョンッとつついたら
すぐに倒れそうな足元で軽快に歩いてる。
待ち合わせ場所の公園は将太の家から歩いて
15分くらいの所にある。
二人のヒールの音が
静かな暗闇の中に響いている。
夜の匂い、空気、世界、とても落ち着く。
私は一人ボーッとしながら歩き、
時々みさが話をふってくるけど、
適当に流していた。だから、
待ち合わせ場所に向かっている時の
みさとの会話は、
あまり覚えていない…─