偽りと真実~scrabble~
少しゆっくり歩いたせいか、
待ち合わせ場所の公園には25分に着いた。
広くはない公園。でも綺麗に芝が整っていて
遊具も揃っている。
小さな公園を囲むように、4つの街灯が私達を照らす
誰かに私達の存在を知らせるかのように…。
みさは誰かと電話をしていた。
「何人?……うん…うん…おっけーっ♪まってるね♪」
「だれ?」
と訪ねてみた。
「今からくる男♪"まさ"くん♪あっちも二人だって♪」
「もう一人はだれ?」
───ドクンッ…───
(なにを期待しているんだろう…)
「"一樹"くんだよっ♪」
──ドクンッ…───
「えっ…あっ…そう…──」
私はまた動揺してしまった。
どうして………。
さっきまでケータイの画面に写っていた彼が
今から目の前にくる…
画面越しじゃなくて…
触れることのできるあなたが………
みさはもう気づいていたの?
私のこの鼓動に……動揺に…………。
そんな時、暗闇の中から笑い声と
二つの足音が聞こえてきた。
姿はまだ見えないのに………
勝手に反応する体………。
──ドクンッ…────
打ち上げ花火のような音で………
胸の中でなる大きな音………
──ドクンッ…────
その笑い声と足音はだんだんと近づいてくる。
みさは声の方へ向かった…私も……ゆっくり……
オレンジ色で少し暗く
今にも消えそうな明かりの街灯の下で、、
私達は出会ったね。
「久々ーっ!!まさ元気だったぁっ?♪」
「おうみさ!久々だなっ!」
二人は楽しそうに話していた。
「この子が光っ♪美人でしょーっ♪」
みさがいきなりふってきたので
慌てて挨拶をした。
「あっはじめまして。光でいいですよ。」
「よろしくなーひかりっ!敬語いないってー!」
まさくんはすごく明るく元気で
気さくな人だった。
みさとまさくんはまた楽しそうに話始めたが
私の目はあなたを探していた……。
少し離れた所でダルそうに煙草を吸っている………。
"一樹…───"