偽りと真実~scrabble~
「なぁー!一樹もこっちこいってーっ!」
まさくんが呼ぶと一樹くんはゆっくり立ち上がり
重たそうな足取りでこっちに向かう。
「みさ知ってるーっ♪一樹くんでしょ?☆」
「おう、一樹でいーよ」
──ドクンッ…───
「お前は?」
(えっ…………)
「光…です…よろしく……」
「おう、一樹でいーよそれと敬語やめろ」
「あっ…うん…──」
これがはじめての会話だったね。
あなたに見つめられて、
あなたは目をそらなくて……
暗くてよく見えなかったけど、、
綺麗な瞳をしていて……でも、何かを
見下すような……その目には何も写していなくて
人形のような目で…………
4人はしばらく公園で世間話をしていた。
気がつけば私はまた"記憶"を蘇らせていた
遠い日々の……幼い日々の…………
あなたと同じような目をした人達が、
私から離れていくの………好きだったみんなも……
(置いていかないで……どうして……
もお一人は嫌だよ………)
やっぱり私は泣いていた。枯れることのない涙を
ただ一人寂しく流している。
「……っ!!…っよ!!…いくよーっ!!」
みさの声だった。
「…っえ…ひー…ちゃん?」
心配そうな顔で私を見つめるみさ。
私は一筋の涙を頬に流していた。
「ひーちゃん……泣いてるの…?」
まさくんと一樹は遠くで煙草を吸っている。
みさは私を心配していた。
「いや…大丈夫。…ごめんね」
「大丈夫ならいんだけど…とりあえず…いこ?
私達は一樹たちのいる方へ歩きだした。