おわりとはじまり

「もうやだ って言われた。でも、そんなこと言われても…。彼女は僕になにをして欲しかったのかな」

「彼女は他になんて言ったのよ」

「なんて言った っていうより、彼女と手を繋いで…いい雰囲気っていうのかな、そんな感じになったとき、彼女が目を閉じたんだ。それでも僕がなにもしなかったら」

そこで彼はなんで という顔になって言葉を続けた。

「『あたしのこと好きでもなんでもないんでしょ』って。4ヶ月付き合って僕から手を繋いだこともなかったし、キスもしたことがなかったから…。そのことを言われて、最後には『もうこんなのイヤ、別れましょっ』って言って走っていったよ」

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