日々是淡々と‥
雄介の横顔を眺めながら典子は
『普通、疲れて帰ってきて
いきなり妻につっかかられたら、
『うるせぇ!』くらい言いそうな
ものだけど‥ねぇ。』
そんな事を考えていた。
でも、本当に怒鳴られたら典子は
きっと逆キレしてしまうに違いない。
雄介が下手に出てくれているから
典子は冷静でいられる。
そんな典子の気持ちを雄介は
知ってか知らずか、くだらない
お笑い番組を見てケタケタと
笑いながら、並べられた惣菜を
美味しそうに次々とほおばっていた。
その姿に典子は
『あぁ、なんてのんきな人なの‥
っていうか、大らかっていうべき
なのかしら‥。ものすごく大物なのか、
バカなのか?
でも、結局怒っている私が
一番バカみたいに思えて
くるのよねぇ。』
そう考えると不思議と怒りが
どこかにすっと消えてしまう
のだった。
そして
「そうなんだぁ。大変ね。
今はどんな物件が担当なの?」
いつものように穏やかに問いかけた。
すると雄介はテレビを見ながら
「うん、駅ビルだよ。駅前の再開発ね。
結構面倒なわけよ。でも面白いけどね。」
いつもこうだ。
別に雄介に特段の不服があるわけでは
ないのだが、何かしっくり来ないものを
感じてしまうときがある。
『私って本当に幸せなのだろうか‥?』
『普通、疲れて帰ってきて
いきなり妻につっかかられたら、
『うるせぇ!』くらい言いそうな
ものだけど‥ねぇ。』
そんな事を考えていた。
でも、本当に怒鳴られたら典子は
きっと逆キレしてしまうに違いない。
雄介が下手に出てくれているから
典子は冷静でいられる。
そんな典子の気持ちを雄介は
知ってか知らずか、くだらない
お笑い番組を見てケタケタと
笑いながら、並べられた惣菜を
美味しそうに次々とほおばっていた。
その姿に典子は
『あぁ、なんてのんきな人なの‥
っていうか、大らかっていうべき
なのかしら‥。ものすごく大物なのか、
バカなのか?
でも、結局怒っている私が
一番バカみたいに思えて
くるのよねぇ。』
そう考えると不思議と怒りが
どこかにすっと消えてしまう
のだった。
そして
「そうなんだぁ。大変ね。
今はどんな物件が担当なの?」
いつものように穏やかに問いかけた。
すると雄介はテレビを見ながら
「うん、駅ビルだよ。駅前の再開発ね。
結構面倒なわけよ。でも面白いけどね。」
いつもこうだ。
別に雄介に特段の不服があるわけでは
ないのだが、何かしっくり来ないものを
感じてしまうときがある。
『私って本当に幸せなのだろうか‥?』