日々是淡々と‥
やむを得ず、オーストラリアに
留学することにしてはいたのだが、
別にどうしても行きたいわけでは
なかった。
考えてみれば贅沢な話なのだが、
当初は別にそんな風には
感じなかった。
しかし、具体的に留学の準備が
始まると、親に依存して留学する
しかない自分がなんだか妙に
情けなく思えて急に行きたく
なくなってしまったのである。
でも今更そんなわがままを
両親に言うこともできず、
卒業を二ヵ月後に控えた
ある日突然、両親に内緒で
就職先を決めると、卒業を
待たずに山の手にある実家を
出て一人暮らしを始めて
しまったのだ。
当時は、前代未聞の家出騒動に
両親をかなり混乱させて
悲しませた。
もちろん、大騒ぎにもなった
のだが、末っ子だったことも
幸いして最後には諦めさせて、
今では両親や兄、姉とも
適当にうまくやっている。
とはいえ、もちろん今でも
『山野家の異端児』で
あることには違いない。
だが、今も由香里は
の職場で働いている。
留学することにしてはいたのだが、
別にどうしても行きたいわけでは
なかった。
考えてみれば贅沢な話なのだが、
当初は別にそんな風には
感じなかった。
しかし、具体的に留学の準備が
始まると、親に依存して留学する
しかない自分がなんだか妙に
情けなく思えて急に行きたく
なくなってしまったのである。
でも今更そんなわがままを
両親に言うこともできず、
卒業を二ヵ月後に控えた
ある日突然、両親に内緒で
就職先を決めると、卒業を
待たずに山の手にある実家を
出て一人暮らしを始めて
しまったのだ。
当時は、前代未聞の家出騒動に
両親をかなり混乱させて
悲しませた。
もちろん、大騒ぎにもなった
のだが、末っ子だったことも
幸いして最後には諦めさせて、
今では両親や兄、姉とも
適当にうまくやっている。
とはいえ、もちろん今でも
『山野家の異端児』で
あることには違いない。
だが、今も由香里は
の職場で働いている。