野に咲く華を護るは猿
「…私、華野憖っていうんです!忍さん優しいんですね!次から忍見たとき気を付けます
それにしても目の色…やっぱりきれいだー!」
………ハァ!?
何この子。俺様の予想に反するんですけど。
しかも何?…この子、猿を綺麗って…優しいって言ったの!?
佐「…ップ……アハハハハハハッ!!あーぁ。アンタ面白い。心綺麗すぎるのにも
程があるよ!!忍を綺麗って…しかも俺様が優しい?ップ…ククッ姫さん良い子すぎるよ
…俺様は人呼んで猿飛佐助。助けてくれてほんとにありがとね。佐助って呼んでよ
あと、敬語使わなくていいよ」
けど…ね
いくら他とは違うきれいな子でも、俺様は忍だ
もう、会うことなんて、ない
「佐助は私のこと気持ち悪くないの?」
佐「…は?姫さんが気持ち悪い?なんで?」
「!?ほ、ほらっ!この髪の色とか!目の色とか!私城の皆や両親から気持ち悪い化け物って言われるから…」
佐「なーに言ってんのさ。俺様も忍びなのに髪の毛緋色だし目は緑だし…最悪だよ
でも姫さんの藍色の髪も紅色の目もきれいだと思うよ」
そう…姫さんはきれいだ。…と、これだけは純粋に言える。
「そっか…えへへっ!ありがとう……佐助だけだよ。そうやって言ってくれるのは
城の皆は私のこと嫌いだもん。いっつも暴力振るわれて殺されかけたりして…城に縛り付けられて村以外には出られない」
佐「出られない?」
「うん。私がこの村から出たら子供たちにひどいことするってお父様に言われたから…」
佐「そっか。…姫さんは優しいな。俺様は嫌いじゃないよ。その髪と目」
…よく生きてられるよ。俺様だったら自害するね。
姫さんみたいに強くないし
ってか、こんだけ隙のある子なんだから殺そうと思えばいつでも殺せるのに…
…殺そうとまではしてないとか?
ま、俺様には関係ないけどね。
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