新 抱かない男の見分け方
②……感じない女
これまで男性のセックス観についていろいろ説明してきたなかで、セックスを一時的な快楽や征服欲ではなく、大切な人とのコミュニケーションと考えて重要視している男性が、末永くラブラブでいられる“抱く男”だということがおわかりいただけたと思います。
そういう“抱く男”は自分の気持ちよさだけでなく、相手にも気持ちよくなってもらい、ふたりで最高の時間を過ごすことにセックスの価値を感じています。それに対してあなたが応えられなかったとしたら……。
最初は「絶対、気持ちよくさせてやる!」と意気込んでいた彼も、あなたの感じ方が変わらなければ、次第にその熱が冷めていってしまうでしょう。よっぽどセックス偏差値の高い男性ならば、根気よくあなたが気持ちよくなるポイントを探しだすかもしれません。しかし、そういった男性はごくわずかだと思ってください。
ほとんどの人が、自分にはテクニックがないと意気消沈してしまうか、相性が悪いとあきらめてしまうものなのです。
「でも、こればっかりは相手次第でしょ?」
もちろん、相性もあります。しかし、いくら男性が努力をしても、女性側がアンテナを立てていなければ感じることはできません。受身のセックスではなく、積極的な姿勢が必要です。また、相手を信頼していなければ、女性はオーガズムを得にくいようです。彼との信頼関係はできていますか? そして、自分の身体についてもっと知ること。それが大切なのです。
そのために私はマスターベーションをすすめています。自分はどこをどのようにすると気持ちいいのか。強い刺激がいいのか、触れるか触れないか程度のかすかな刺激に感じるのか。まずはそれを知りましょう。そして相手に伝えるのです。
さらに、自分が気持ちよくなれば、相手のこともより気持ちよくさせたいと思うようになり、良いスパイラルが生まれます。
気持ちよくなく、濡れないまま痛みを伴うセックスを続けたことで、セックスが嫌いになってしまったという人もいます。
“感じる女”になる、つまりオーガズムフルな女になることは大切です。以前、主婦の性意識調査をしました。拙著『となりの寝室』(2004年/講談社刊)で、結婚後のセックス感を分析しています。オーガズムに関しては、「得られる」と回答した妻は31.7%です(母数1429名)。「得られない、わからない」と回答した妻は24.9%。つまり4分の1の既婚女性が“感じない女”なのです。セックスの回数との相関関係は、見事にありました。セックスの回数が多いほど、オーガズム体験は上昇しています。
この連載を読んでくださる皆さまは、その4分の1の女性になってはいけません。
スポーツジムやヨガ教室でボディを鍛えるのと同じように、性感もブラッシュアップしていきましょう。マスターベーションをしたり、官能小説や映画を観てセクシー・イマジネーションを高めたり、あえぎ声の研究をしたり。努力せずしてオーガズムは得られません。“感じる女”になるには、日々の積み重ねが物を言うのです。
万が一、セックスが嫌いになってしまったという方は、嫌いになった原因は何か、自分はセックスに対してどのような印象をもっているか、客観的に観察してみたり、セックスのやり方を学んでみたりしてみてください。
セックスレスを理由に別れを考えるのは女性だけではありません。彼がセックスを重視しているならば、「私の身体が目当てなのね」なんて言わずに、喜ばしいと思ってください。そして、あなたもセックス好きになって、ラブラブ生活を目指しましょう。まずは感じない女とバイバイ!