目と目を合わせて






告白したのは私から。


高校一年のときで、クラスも部活も同じ。


本当に喋らないし、女子が苦手ですって、明らかにわかる感じ。


はじめて話したのは、本入部したその日の帰り。

電車の駅が同じで、二人だけで話した。



返しは殆ど「え、はい」とか「そうだね」とか、そんな感じだったけど。

アニメの話になったとたん、趣味が噛み合って会話が弾み、すごく嬉しかったことを覚えている(笑)


それから何となく、雪斗を目が勝手に追いかけるようになって。


雪斗のふわふわの明るい茶色をした髪とか

背が高いところとか

きゅんっとなるような仕草を見せるところとか


全部全部、大好きになっていた。



だから、夏休みの部活の帰り、私は雪斗に告白した。

「私、雪斗のことが好きだから。」


さらっと、口をついて出たような告白。




「…ありがと、嬉しい。」

それが彼の答えだった。













< 3 / 12 >

この作品をシェア

pagetop