目と目を合わせて





「雪斗ー、ゆーきとさーん!!」


ほんと、怒っているときは分かりやすいのに。



あんまり振り向かないのでさすがに私もいらっとくる。



「なんかあるなら、ハッキリ言ってよ!」


…あ、ちょっと強く言い過ぎた?


私に背を向けてしゃがんでいる後ろ姿に、萎れた耳がみえる…


(そんな可愛いのはずるい…)


はぁ…私が悪かったですよ。
もうなにも聞かないから!!



「ごめん、もうなにも聞か「誰??」


へっ…??

「いや、自分の彼女くらい分かってくださいよ。」


ああ、さらに耳が萎れてみえるんですけど…


「今日帰りに喋ってたやつ、誰??」


帰り…??

ああ、たしか、雪斗と帰る前に、西川と喋ってたっけ…


「西川のこと??」


こくん、と頷く。

…誰か、このかわいい生き物をどうにかしてください…



「それがどうかした?」


聞いた瞬間、雪斗はばっ、と私の方を見た。

本日、初。


私をじーーーっと見ながら、
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