目と目を合わせて
「なに、喋ってたの??」
「ええっと…」
「言えないことなんだ。」
ち、ちょっと待って!!
形成逆転中。
言えないといえば、言えない。
…恥ずかしくて。
だって、やっぱり、雪斗から好きって言葉を聞きたくて。
男子の意見を聞いたほうがいいと思って、男友達の西川に相談していたのだ。
─これをどう説明するのよ…─
「そうじゃないけど…」
いつもは、目が合っても雪斗が先にそらすのに。
今日は、雪斗の真っ直ぐな視線に堪えきれず、私が逸らしてしまいそうになる。
「じゃあ、何の話??」
うまく言えずに黙っていると…
ふっ、と雪斗が視線を外し、
「…最近ずっとあいつと喋ってるし、絵梨がなに考えてんのか分からん。…」
ぼそぼそ、そう呟いたのが聞こえてしまった。
私は思わずぽかんとしてしまう。
「俺はずっと…って、はっ!!」
顔を真っ赤にして慌てる雪斗。
…どうやら、心の声が漏れてしまったみたいだ(笑)
でも…
『俺はずっと…』
このあと、なんて言いたかったの?
私、期待してもいいのかな…
雪斗のおかげで、話す勇気ができた。