ほわいと*Canvas
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「なるほどねー。
それで翔は倒れちゃったその子を
ここに連れてきたわけか」
「そうだよ」
「で? この子の名前は?」
「それを聞こうとしたらお前らが
入ってきたんだよ!」
成宮さんがそう言うと、
一人の人が私に近づいてきた。
ダークアッシュの髪の毛からのぞく
切れ長の瞳に思わず吸い込まれて
しまいそうになる。
「お嬢さん、お名前は?」
「え?……あ、えっと、
私は五十嵐 陽香です」
「陽香ちゃん、ね。
俺は榎本 恭哉。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
榎本さんが差し出した手を握ろうとしたが、
その手は私の手をすり抜けて私の頬に
触れていた。