ほわいと*Canvas
「ーーもしもし、藤元です。
ええ、今からすぐに始めるから
準備の方、お願いします」
それだけ言って電話を切ると、
再び私の方に視線を向けた。
「時間があまりないから、詳しい話は
スタジオに行ってからでもいいかな?」
「は、はい……」
「急に変更になってすまないね、愛川さん」
「いいえ、このくらい平気ですわ。
私たちもSHINEのメンバーと一緒に
すぐに向かいます」
「よろしく頼むよ」
(マネージャーさん、愛川さんって
いうんだ……)
私がぼんやりそんなことを考えていると
急に愛川さんに声をかけられた。
「陽香ちゃん、ボーッとしてないで行くわよ」
「あ、はい……!」
「では、失礼します」
「し、失礼しました……!」
藤元さんに軽く会釈をし、
キビキビした愛川さんに慌てて
ついていくように部屋を後にした。