君さえいれば、何もいらない
渚に聞いた足で、職員室に向かい、担任を呼んでもらう。
すると、
「…三条【さんじょう】と同じ進路がいいから、そっちにするっていうのは絶対にやめろ」
先生は、私の本当の気持ちをやっぱり理解しているようで。
何でもお見通しなんだろうなと思った。
でも、
「渚とじゃなきゃ、私高校行きたくない」
渚とじゃなくちゃ。
私は高校なんて、行く意味ない。
期待してた。
『なら、好きにすればいい』って。
でも、そんなのは子供のわがままみたいなもので。
「そうだな。そんな甘い考えなら、行かない方がいい」
あっさりそう先生は言って。