affection
ベッドに寝転ぶあたしの口元からは、白い煙だけが宙に舞っていた。


―白はやっぱり嫌い。


天井の白さに苛立って、目を閉じると、あたしの唇に何かが触れた。


目を開けると翔の顔がそこにあって、あたしの持つタバコを奪いキスをした。


「しないんじゃないの?」

そんなあたしの声に反応もせず、翔の唇はあたしの首筋を這う。


目を再び瞑ると、あたしは翔に「あの人」を重ね、偽りの快楽へと落ちていった――。
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