affection
第一章・真実と嘘と。
まだ肌寒い春先。
あどけない顔さえ見せない17歳の少女。
その瞳はまるで死んでいるかの様に、虚ろな眼差しをしていた。
「って事で今日から君はあゆちゃんね?年も18って事にしとくから。」
「あ、はい。」
これであたしに名前をくれた人は何人目なんだろう。
一番初めにあたしについた偽る為の名前は「レミ」だった。
16から夜の世界に飛び込んだあたしが次に選んだのは、風俗だった。
体とあたしの時間との引き換えにお金を貰う。
汚れたかった。
これ以上に汚れたかった。
もう誰も愛せないあたしが選んだ生き方だった。