affection
甘い罠
朝目覚めると隣にある、温もりに不快感を感じた。
―あぁ、そうか。そうだった。
昨夜を思い出したかのように、自分自身に納得をした。
何も身に纏わず、寝ている翔を起こすまいとベッドから抜け出した。
―あーあ。髪もぐちゃぐちゃだ。
白にも近い金髪のロングヘアーを無造作に上げた。
顔を洗い、メイクをさっと仕上げる。
日に当たらないせいか、色白の肌は不健康、そのものだった。
モーニングサービスのコーヒーを2つ頼むとソファーに腰掛け、傍にあった携帯に手を伸ばした。
――留守電一件。
あたしは笑いが零れた。
母親からの電話は心配している様子もない、ただのお金の要求だった。