最近、風紀がみだれてます (エピソード☆ゼロ)
「ああ」とオレはうなずく。
「じゃ、うちらの後輩になるかもじゃん。ね、結衣?」
そう言って、さっきまで塀の上にいた女に同意を求める。
結衣って女が「ほんとだね」とのんびりした声で言って微笑んだ。
こっちはロングヘアだ。
さっき抱きしめた時に香ってきたシャンプーみたいな香りを思いだし、なんか恥ずかしくなったオレはふいっと目をそらした。
「ふたりとも、柴高なんすか?」
元気になったのか、コータが明るい声を出す。
「うん、1コ上ね。あ、でもあたしは、今はまだ柴高の生徒じゃないんだ。転校して、4月からここに通う予定なの」
ショートボブの女が言った。
「へぇ、そうなんすかー」
相槌をうつコータの背中をオレは叩く。
「おい、そろそろ行くぞ」