最近、風紀がみだれてます (エピソード☆ゼロ)
受験生の心を乱すもの
教室に入り、自分の受験番号が貼られた席につく。
オレの席は窓際だった。
コータはオレの斜め前。
「やっべー緊張して、手が冷たい」
両手をこすり合わせながら、オレの方を振り返る。
また不安そうな顔に戻ってた。
「お前、なに緊張してんだよ。いつも試合でフリースローとかスリーポイントとかガンガン決めまくってるくせにさ。お前はすげーよ。いつも練習した分、ちゃんと結果だしてるじゃん。これまでずっと勉強してきた自分のこと信じろよ。何も不安になることなんかねーだろ」
オレがそう言うと、コータの顔がほころんだ。
「だな。忘れてた。オレ、本番に強いタイプだった」
ニヤリと笑うと、そう言って前を向いた。