最近、風紀がみだれてます (エピソード☆ゼロ)
「そんな緊張してんの?」
オレの質問に、コータはムキになって答える。
「緊張もするって! オレの人生、今日にかかってんだよ! オレ、ぜってー柴高行きたいんだよなぁ。あそこ以外考えられねーもん」
「まぁな。お前、そのためにずっと頑張ってたもんな」
ついでに言うと、コータは努力家でもある。
「兄貴が言ってたんだけどさ……」
ふいに深刻そうな顔をするコータ。
「柴高って、女子のレベルすげぇたけーんだって。可愛い子多いらしいぞ」
「……」
まともに話を聞いたオレがバカだった。
「お前の志望理由はそれかよ」
「な? 海斗も柴高行きたくなってきたろ?」
「知らねーよ、バカっ。ほらっ、もう行くぞ」
パシッとコータの背中を叩いて歩き出した。