最近、風紀がみだれてます (エピソード☆ゼロ)
「なになに? 教えてー」
「試験で使った消しゴムをね、校内のどこかに埋めてくるんだって。またここに来られますようにって願いながら」
「へぇええ」
女達が感心したような声を上げていた。
「なぁ……今の、聞いた?」
コータが顔を近づけてきて、小声で言う。
まるで内緒話するみたいに。
「ああ。聞こえた」
「オレ、消しゴム埋めちゃおっかな。海斗もやんね?」
「オレはいいって。そんなん気休めじゃん」
「超ドライだな。まぁ、海斗はそう言うと思った」
ふいに、オレの頭にさっき家の前にいた後輩の女子達が浮かぶ。
女って、ホント、ジンクスとか好きだよな。
オレはそういうの信じる気はない。
そんなんで受かるなら、誰も苦労しねーっつーの。