最近、風紀がみだれてます (エピソード☆ゼロ)

「なになに? 教えてー」

「試験で使った消しゴムをね、校内のどこかに埋めてくるんだって。またここに来られますようにって願いながら」

「へぇええ」


女達が感心したような声を上げていた。


「なぁ……今の、聞いた?」

コータが顔を近づけてきて、小声で言う。

まるで内緒話するみたいに。


「ああ。聞こえた」

「オレ、消しゴム埋めちゃおっかな。海斗もやんね?」

「オレはいいって。そんなん気休めじゃん」

「超ドライだな。まぁ、海斗はそう言うと思った」


ふいに、オレの頭にさっき家の前にいた後輩の女子達が浮かぶ。

女って、ホント、ジンクスとか好きだよな。

オレはそういうの信じる気はない。

そんなんで受かるなら、誰も苦労しねーっつーの。



< 9 / 50 >

この作品をシェア

pagetop