好きと言えるまで


「そろそろチャイムなるから戻ろ?」
「ああ‥、」

立ち上がると一宮くんの制服のポケットから一枚の紙が落ちた。
「‥?」
それを拾うと教室に戻ろうと歩き出した一宮くんへ声を掛ける。
「一宮くん、なんか落ちた」
「へ?‥ああそうだ」
「?」

私が渡した紙を手にすると、それを広げ私に見せてきた。
「これ、ここの家に今日行かなきゃなんないんだけど」
道がわかんないんだよね、と。
しるされてあったのは手書きの地図。
でも何処かでみたことたるような‥

もしかして‥‥
「‥‥‥これ、家かも…」
「‥‥‥へ?」
「この道…うん、私の家」
「マジで?」
「嘘ついてどうすんのよー、まあ、学校終わったら案内してあげる」

「あ、ありがとう」


なんだか一宮くんは普通の民家だとは思わなかったのか眉をひそめたまま教室に戻っていった。


変なの…。


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