SET
Never do things by halves.
はじまり
「涼風、早くしないと置いていくよ」
「待ってお姉ちゃん今行くから――」
わたしは、高瀬涼風(たかせ すずか)12歳。
ようやく大好きなお姉ちゃんと同じ中学生になりました。
この日をどれだけ待ちわびていたことか……
ってこんなゆっくり感動している余裕はないんだった。
姿見で変なところが無いかチェックすると、わたしは急いで部屋を後にし、一気に階段を駆け下りた。
「お待たせしました」
「いえいえ。じゃあ行こうか」
玄関で待ってくれていたのは、姉の高瀬唯(たかせ ゆい)。
優しくて頭も良くて頼りがいのある2つ上のお姉ちゃんがわたしは大好き。
それに憧れの人でもあるんだ。
小学生の頃に見たお姉ちゃんが戦ってる姿がきらきらしてとても綺麗ですごく引き込まれたのを今でも覚えてる。
わたしもあんな風に戦ってみたいと思った。