SET
「涼風、やったじゃん!」


部活終了後、真心が抱きついてきた。


「うん!本当に嬉しい。それもこれも真心のサポートがあってのこと。本当にありがとう。それとこれからもよろしくお願いします」


わたしは真心を一旦離して頭を下げた。


そう、張り切って陸上部に入った真心だったけど、なんと競技をしたいんじゃなくサポート側をやりたかったそうで、マネージャー業を買って出ていた。


決して運動ができない訳じゃないし、足が遅いわけでもない。

むしろ、先生は競技者の方に回って欲しいみたいだったけど、真心は自分の思いを貫き通した。


すごいことに真心の的確なアドバイスのおかげで、部全体の記録が上がっていたのだ。


「涼風――!!もう何嬉しいこと言ってくれちゃってるの」


そう言って真心はわたしに再び抱き着いてきた。

わたしより頭1つ低い真心はわたしの腕の中にすっぽりと納まる。

うーん、女の子ってやっぱりこれくらいが可愛いよなぁ……。




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