SET
準備ができると整列する場所でコールされるのを待った。

名前が呼ばれ、スタート位置に着く。



わたしは目を閉じて大きく深呼吸した。


周りの音が気にならなくなり、自分の心拍の音が耳に響いてくる。


うん、大丈夫。


「On Your Marks」


スターターの声で目を開けると、指と膝をグランドに添えスタートの準備をする。


楽しく走れそうだ。


「Set」


膝を地面から離し、前に体重を預ける。




パ――ン。


ピストルの音と共に力強くスターティングブロックを蹴って走りだした。



走ってる間は何も聞こえない。


ひたすら100M先にあるゴールを目指した。




< 25 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop