SET
「涼風は集中しようと頑張ると逆に集中できないんだから、いつもみたいに人が走るところを見ておきな。そうすると自分も早く走りたいという思いからおのずと集中が高まるから」


そう……だったのか?

真心はいつだってわたしが気づいていないわたしを教えてくれるなぁ。


「分かった!サンキュー、真心」

「決勝まで残れたら唯さんと走れるよ!私は陸部のマネージャーだから本当はダメなんだけど、涼風のことを一番応援してるから」


真心の癒される笑顔は、心が穏やかになる。


「お姉ちゃんと全力で真剣勝負できるように頑張ってくる」

「うん。じゃあ、私はスタンド席で応援してるからね」


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