ごめんなさいねぇ
「で?どうすんのよ?」

話を元に戻された。

夏子だって良くわからないことだ。

だからこうやって差し障りない相手と話しているのに・・・。

「どうするも、こうするも、きちんと言われたわけじゃないからどうにもならなんよね〜。」

「きちんとって・・・指輪が欲しいとか?」

「いや、物ではなく、ま、有った方がいいけどさ。なんていうかなぁ〜。出来るだけ自分が楽して引っ掛けようみたいな腐った根性を垣間見たようでさぁ〜・・・自己嫌悪だよ。」

言いながらグラスの残りを飲み干して店員にお代わりを注文した。

「自己嫌悪?夏子が?言われた側なのに?」

さっきから、きついぞ!知美・・・なんだか興味本位以外の強いものを感じるのは気のせいだろうか?

「そりゃ、自己嫌悪だよ。
こういう、肝心なところにもいつもどおり手抜きで来る相手と結婚を考えなくてはならない面倒くささという自己嫌悪だよ。」

「なるほどね〜。」

「きちんと言われたならきちんと返すけどさ、あんな言われ方したら、ぶり返して断るわけにも、行かないじゃん!超イライラするよ!」

「なんとなく、判る気がする・・・でもさ、いいなぁ〜。結婚してって気軽に言われてみたいよ。」

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