ごめんなさいねぇ
「最近、お前付き合いいいよね。」

プールバーで直人がうすら笑いしながら夏子に問いかけた。

「あん?そうかね?」

なんだろう?そうかな?夏子は特に考えてもいなかったがそういえばここのところ直人と会社の愚痴を言いながら遊び歩いていることが多い。

「夏子、うまく行ってないの?彼氏と・・・」

改めて聞かれるとちょっと考えてしまう。

「いや、ええ?そうかな?そういえば、最近会ってないかもなぁ。」

取り繕うでもなく、素直に思い出しながらゆっくりと返事をした。

「おまえなぁ~、『そういえば最近』って言われちゃう彼氏もお気の毒だね。」

なにやら嬉しそうだ。

「ま、付き合い長いし、しばらく会わないからって困らないわさ。」

「けっ、余裕だね。」

「余裕?余裕ってなんだよ?あんたみたいにずっと彼女いないほうが余裕あるんじゃないのかね?」

「いや、無いよ。最近ホモ疑惑出てるらしくてさ。聞いてない?俺の噂・・・。」

「キャハハハハハ!それ、あたしが原因かもよ!?」

「なに?お前が社内で噂流してるの?」

「誰が噂流すなんて暇なオネエチャンみたいなことするよ!?あたしゃ会社から早く帰りたくて忙しいんだよ。」

「そういや、そうですねぇ~。じゃ、なんでよ?」

「あんたの上司にさ、『山下と仲いいけど付き合ってるのか?』って聞かれたから、『そうですね、いい妹です。』って答えといた。」


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