ごめんなさいねぇ
15分後、三人は六本木交差点近くの居酒屋にいた。

値段はそれほど高くは無いが、

それぞれに個室風の敷居が用意され、

周囲を気にすることなく会話を楽しめるので、

最近の夏子のお気に入りだ。

最近は新たな出会いよりも、周囲の仲間との親睦が心地よい。


掘りごたつ式のテーブルに三人で座ると、

とりあえずのビールジョッキが3個テーブルに運ばれて来た。


「かんぱーい!」

直人が言うと、

「良太くん、ご馳走様~♪」

夏子が冗談めかしてビールジョッキを上げる。

「ええええ!?あんたたち、俺の先輩でしょうが?」

慌てる良太に、

「いや、残業代稼いでませんからぁ~♪」

直人が続ける。

「俺は、あんた達におごるために残業したのではなぁーい!」

泣くフリをして見せる良太に、

「冗談だよ、あとでじゃんけんね。」

夏子が笑うと、

「普通に割り勘で和めないんですかぁ~?」

苦笑いしながら良太もジョッキを上げた。





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