ごめんなさいねぇ
「その眼、ちょっと怖いんだけど・・・」

知美は結婚したい派。

付き合う人=結婚する人

と、願ってはここ数年いまひとつ盛り上がりにかける恋愛を重ねている。

なぜ結婚しなくてはいけないのか?と考えている夏子とは永遠に決着のつかない話を心置きなく出来る飲み友達だ。

「え?だって、プロポーズでしょう?そりゃ興味深々でお伺いするのが礼儀でしょうが!?」

「いや、ちょっと、酒が足りなくなるからもっとマッタリした感じで聞いてよ。」

「酒?いつだって足りないじゃん、いいから話しなよ。ついに、夏子も結婚する気になったかぁ~」


勝手に先走ってるよ・・・


「あのね、プロポーズという定義にはまっていない『結婚してくださいよぉ~』って言われたわけよ。」

「なんだよそれ?高望み?羨ましい。」

「違うよ!あのね、ヒジョーにユルイ男なわけよ。暁生ってのがさぁ。」

「うん、そうらしいね、でも、夏子がきつすぎるからいいじゃん。」

「まぁね、私もそう思っていたんだけど・・・。でもさ、肝心なシーンまでユルイままだと疲れるのよね~。」

「え?そうなの?きつい方が疲れるんじゃないの?」

「いや、それがさ、ひどくだらしがないというかさ、とにかく、家に入るでしょう?玄関から、靴→靴下→ズボン→パンツ→シャツ・・・って感じで一歩ずつ散らかしていくような男なわけさ。」

「げ!そこまでユルイの?なんで付き合ってるの?」

「いや、煩くないからさ。私さえちゃんとしていれば癒し系だなと思っていたわけよ。」

「ふぅ~ん、癒し系ね~・・・」





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