ふぁんたじあ!!
「新しい勇者と戦士の登録、お願い」
「カル!まぁた新しいの連れてきたのか!?この間のとそんなに時間が空いてねえじゃねえか!」
「いいの、今度は男にした。この間みたいに一回目で消えちゃうってことは無いと思う」
酒場のカウンターごしに話しかけてくるゴツイゴリラのような見た目の男が大袈裟なジェスチャーをして大きなため息をついた。
「カル…お前は…」
「いいから。とっととやって」
「はいはい…じゃあ勇者から名前と性別と年齢、容姿と役職を言ってくれ」
「矢木 賢太、男、16歳。黒髪で黒目のタレ目、身長が低い。なよなよ。役職は…勇者でいいわ」
「ほいよ、じゃあ、次」
ゴリラは分厚くて大きい本に情報を書き込みながら次を催促する。
「虫屋 瑠威、男、16歳、金髪…だけどあれは染めてるわね…黒目で身長は高いけど胴長短足。強がりで弱虫。役職は戦士」
「よし、オッケィ。最後に、お前の情報だ」
「メウト・カルローゼ、女、14歳、クリーム色の長髪、碧眼。役職は魔導師」
「……よし、登録完了だ 。次にもういっこの名前だが…」
「勇者から順にヤギ、ムシ、カルでいいわ」
「お、おう。わかった」
ゴリラが本を閉じるとカルの首元が赤く光る。そして紋章が浮かび上がり白い肌の中に消えていった。
「カル、むちゃすんなよ?俺はお前が心配で…」
「わかってる。でも今回こそ、やってみせる」
カルの瞳に魔法陣が浮かび上がる。その魔法陣は青い光を持ち、宝石のように輝いていた。



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