16歳。ー10年越しの約束ー



病院のエレベーターの中、乗っているのは俺たち2人だけだった。


いつの間にか手はほどけて、俺は隣に並んでる小さな小雪を上から見下ろした。



「…髪」


俺はキレイに編み込みされた小雪の髪を見て思わず呟いた。


「え?…あ、これね!彩おねーちゃんがしてくれたの!自分でこうゆうの出来ないから嬉しくって!」



俺を見上げながら、小雪は無邪気に微笑んだ。



…そんなに無邪気に笑いかけるなよ。

俺は自分の顔が赤くなりそうになるのを感じて、慌てて顔を背けた。


…こんな顔、小雪にも壮太にも見られたくない。
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