16歳。ー10年越しの約束ー
「な、何でもない!いただきます!」
俺は慌てて料理を食べ出した。
「…そんなに慌てて食べなくても、しょうが焼き定食は逃げていかないわよ。」
姉貴がニヤリとしてそう言った。
「…でもクリスマスイブにデートなんて羨ましいー。私達なんて稼ぎ時だから休めもしないし。」
続いて出てきた姉貴の言葉に俺は味噌汁を吹き出しそうになったのをなんとか堪えた。
「デッ…デートって…」
俺は咳き込みながら言うと、
「明日はどこに行こうか!楽しみだね!」
小雪は俺を見ながらニッコリと笑う。
…何だか、焦ったりドキドキしてんのは俺だけで、小雪は別になんの意識もしてないんだろうな。
そんな風に思えてきた。